最近、BABY METAL の 2
つづき
METAL だったから!
日本でB'zやワンオクロック、SIMやken yokoyamaをメタル的なものとして語る人を見つけるのは難しい。メタルやパンクの要素を含む激しい音楽性が武器のバンドではあるものの、メタルファンからはメタル的なアイデンティティーを持っていない、と見られているだろうし、彼らのファンも、上記のメタル勢とは距離を感じるはずだ。
しかし、海外でメタルを語るとき、その枠はグッと広くなる。アイアンメイデンやジューダスプリースト、メタリカやスレイヤーなどの保守本流(と言ってもこの四バンドの音楽にも多少の距離はあるけど)はもちろんのこと、リンキンパーク、レイジアゲインストザマシーンやニッケルバックなどに加え、オフスプリングやグリーン・デイまでメタルで語ってしまう人もいる。つまり、激しくてグッとくればメタルとして認めてもらえる。他のジャンルより
日本から来たのかー
とか
かわいい子達がなんかやってるねー
といった、偏見を、曲とパフォーマンス力で吹き飛ばせる可能性が高いのだ。
実際、メタル界隈では、レコード会社やマネジメント主導で作られた、本人たちは顔も会わせたこともないスーパーユニットがちょいちょい生まれたり、ライブを一回もしたことがないバンドが割りと本格的なレーベルからアルバムデビューしたりしている。
バックグラウンドやメッセージ、それこそアイドルかどうか以前に曲の良さや、演奏技術がまず求められるジャンルなのだ。
もちろん、戦略的なものも当たったのかもしれないが、我々リスナーは人間だ。計算づくで我々のニーズをコントロールできると思っている人がいるならちょっとアホすぎるんじゃないか、と思う。
もうひとつ、METAL であることが彼女らの背中を後押しした部分がある。
ピュアなメタルがオルタナティブ勢、グランジ、nuメタルなどに駆逐されて以来、原理主義的なメタル(日本でいうラウドロック的なモダンな要素を持たない、いわゆるヘヴィメタル)は、クールとギャグを同時に持つ存在になってしまった。
クラシックで、ロック然とした黒レザーや、金の長髪、もしくはぴょんぴょんパーマは、カリスマ性と同じくらい、いなたさも含んでしまうようになってしまった。
大御所ならともかく、新人なら、メタルを聴いてる人でも、
何故。。。(こんな若い人が。うれしいけど)
と、ちょっとした物珍しさまでまとってしまう。
これが、BABY METAL の、ツッコミどころである、
自作曲ではない、メンバーの楽器演奏なし、もともと本人たちにメタルへのハートなし。。。
などの部分へのツッコミを緩和させ、かわいい女の子たちがメタルを躍りながら歌う面白い存在、というプラスの入り口を作りだし、その後にライブで
こいつら本物じゃないか!
と、もともと物珍しさにはまった心をよい意味で大きく裏切る結果になったのではないだろうか。
まあ、何をいいたいかというと、他の方の話もわかるのですが、BABY METAL が海外で売れたのは、売ろうと頑張った人の情熱、後押ししたいファン、そして何より、本人たちのパフォーマンスが、戦略や音楽業界を越えたところで海の向こうの人達の心を撃ち抜いた、ということなんだと思ったのです。。。
つづく