siwee 10

田舎暮らしを毎回10分にて

僕が田舎で暮らすまで9

つづき


地元へ帰るために行動を起こすことにした。


まず、妻に言う。そして妻とは離婚する。色々考えたが、僕がこれから地元で明るく生きていける可能性は10%ないだろう。そして、地元で生きていくことを考えると共働きせねばならない。僕の4倍の年収を持つ妻に、それを捨てて田舎で貧乏暮らしをしろというのか。。。妻はまだ若い。いい人が見つかるだろう。まあ、二十歳とかではなかったが。。。既婚者にも関わらず、よくもてていた。


そして、その話し合いと平行してバイトをやめる。我々は使い捨てのコマ以下の存在だ。これはさっさと終わるだろう。


さらに平行して、地元へ帰る旨、家族に告げる。これは拒否される可能性もある。その拒否の内容によっては僕が地元に帰るよう説得するか、そのまま東京に居続けるかを考える。


ということにした。


初動では、妻は離婚拒否、バイトは慰留(されると思わなかったため、面食らった)、家族からは歓迎された。


離婚を拒否されたのにはびっくりした。聞けば、


一緒にいて、弟を気遣っているのはわかっていた。今回のような申し出があれば、いつでも仕事をやめ、ついていくことに決めていた。もともとお金のことを考えていたらあなたとは結婚しない。



とのこと。脳がどうにかなっているのか?この時点ではギリギリまで説得を続けることにした。


バイトに関しては、慰留していただいたのはうれしいが、例え東京に残るとしても、このバイトは続けられない。体が本当にきついし、よそのコンタクト屋との競争もきつい。それに、音楽活動を続けながら、という理由がないのに続けられるほど、思い入れもない。12年くらいやっていたのに。。。ということで契約期間満了でやめることにもっていった。有給(!)は消化しなくてもよかったのだが、会社が執拗に、僕の自己都合での退職という形にこだわったので、ぷちいやがらせな気持ちで消化することにした。



残るは妻だ。東京にいる妻の両親にも反対された。僕みたいなのとむすめが一緒にいることにピンチを感じないのか。。。尊敬する義実家ではあるが。。。



結局、妻の説得には失敗した。


強行手段に出ても良かった。しかし、自然がいっぱいな僕の地元は何もなく、観光地ですらない。ここで別れたらすれ違うことすらないだろう、なら、最後は気持ちよく終われないものか、と思っていたので、話し合いを続けた結果、向こうを折ることが出来なかった。甘かった。


結果、僕は妻と二人で地元に帰ることになってしまった。ありがたいが、申し訳ない。



つづく